「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。時間・業務・組織という見えにくい対象を見える化しながら進めることが特徴です。
■時間は時計で計測する
人間は時間の長さを直接感知できません。光や音は目や耳で捉えられますが、時間を検知する感覚器はありません。太陽の動きや時計の動きを見て間接的に知ることしかできません。業務の流れ、すなわち時間に対する業務の動きを変化を改善するには、時計で測ることが必要です。
時間に関することは感覚に頼っては改善も計測もできないのです。まず時計を見て時刻を知る、そして一定時間で処理した製品や情報の数を数えるということが基本になります。
■人とモノの両面から時間を記録する
時計の常に動いているので時間データは記録しておかないと残りません。いつ加工を始めていつ終わったかという時刻を記録して所要時間を算出することが必要です。
この時、製品を加工する人から見た時間経過と、加工されるモノから見た時間経過の両面から記録することが必要です。人から見た時間の記録は、日報などの「作業記録」です。対象となる人が何時から何時まで、どんな製品に対して加工したかを記録したものです。「作業記録」は対象となる工程あるいは人のところに置いて記入します。
一方、モノから見た時間の記録は「被加工記録」と呼べるでしょう。対象となる製品が何時から何時までどこの工程で加工を受けたかという記録です。「被加工記録」は対象となるモノと一緒に動かしながら記入していきます。
■稼働率と加工時間比率を集計する
「作業記録」と「被加工記録」から、それぞれ「稼働率」と「加工時間比率」を集計します。人の稼働率は就業時間に対する稼働時間の比率です。数値を良くするには非稼働時間を減らします。加工時間比率は全リードタイムに対する加工時間の比率です。数値を良くするには停滞時間を減らす必要があります。日々得られた数値をグラフ化して、誰にでも見えるようにします。
作業記録の例
工程名 | 作業者名 | 作業日 |
パネル仕上げ | 若槻 直 | 2011年10月27日 |
時刻 | 対象製品・数量 |
9:20〜10:20 | 前面パネル 10枚
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10:30〜12:00 | 背面パネル 10枚
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13:15〜15:10 | 側面パネル 20枚
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15:25〜17:00 | 底面パネル 10枚
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被加工記録の例
日時 | 工程名 |
2011年10月20日10:00〜10:10 | 材料出庫
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2011年10月20日11:00〜12:00 | 材料切断
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2011年10月21日15:40〜16:20 | 穴あけ
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2011年10月23日18:00〜18:50 | 部品取り付け
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2011年10月27日15:25〜17:00 | パネル仕上げ
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