「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。時間・業務・組織という見えにくい対象を見える化しながら進めることが特徴です。
■業務の流れ改善とは何か
納期短縮はひとつの職場ではできません。ある場所で短縮しても他の職場での待ちが増えるだけです。納期短縮は業務や職場を横断した流れを捉えてそれを改善しなければ達成できません。
まず工場のモノと情報の流れの全体像が見える必要があります。対象業務を洗い出し、製品・職場との関連を一望できる形にすることが出発点となります。
■業務を洗い出す
業務の流れを改善するには、業務の全体像を把握し、流れの良い場所・悪い場所を特定することが必要です。その第一歩は業務の洗い出しです。
まず工場のモノと情報を処理する業務を列挙します。一般的には次表のような業務があるでしょう。これを参考に自社の業務を列挙します。この段階では、あまり細分化しないことがコツです。細分化するとかえって重要な業務を見落とすことがあります。
工場の業務例
生産計画 |
需要予測
負荷計画・大日程計画
小日程計画
出荷計画・納期管理
資材調達計画
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製造 |
部品加工
ユニット組立
製品組立
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試作 |
図面確認
治工具作成・試作
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検査 |
材料の検査
中間製品の検査
最終製品の検査
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指示 |
作業指図と進捗管理
外注・資材の発注と検収
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保管・運搬 |
倉庫の入出庫
出荷トラック手配
梱包・出荷
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業務を列挙する際には、次の点に留意します。
・あまり細分化しない(10〜30種程度)
・部署(課単位)と関係づけられる
・関係者が業務内容を具体的にイメージできる
この時に次の点に留意します。
・現在やっていないが、当然やるべき業務がないか。
それがあれば、追加しておく。
・業務を順序良く並べられるか。
業務の順序づけを迷う場合は、業務間のつながりが悪い可能性がある。
・各業務の出発点となる作業と終了点となる作業を特定できるか。
出発点・終了点が特定できない場合は、その業務の内容に問題がある。
■業務・製品・職場の関係を一覧表にする
洗い出した業務を順序よく並べます。そして各業務を担当する職場名を記入した表を作成します。この時、業務と職場が1対1に対応するかを注意します。対応しない場合には業務の定義と製品群の分け方を見直します。それでも1対1に対応しない場合、職場間の業務分担が悪い可能性があります。
製品群によって担当する職場が違う場合には、製品群ごとに職場名を記入した一覧表「製品・業務・職場マップ」を作成します。
製品・業務・職場マップ
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