「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。時間・業務・組織という見えにくい対象を見える化しながら進めることが特徴です。
■作業レベルで流れを見える化する
業務の流れを改善する場合、業務を構成する個々の作業を洗い出し、作業間のルートを見えるようにすることが必要です。特に作業の流れが複線になっていたりモノや情報が分岐・合流する作業を含む業務があると納期に影響することが多い。それを発見するために流れのルートを見える化します。
■業務を構成する作業を洗い出す
流れを見える化するには、ひとつの職場の業務をさらに個別の作業に分解します。例えば、部品からユニットを組み立てる「ユニット製造」が職場の業務である場合、次のような作業に分解します。
・部品出庫作業
・サブユニット組立作業
・ユニット組立作業
・ユニット検査作業
・ユニット入庫作業
個々の作業は、管理上の「作業区」で識別されます。同種の作業でも複数の作業区に分かれる場合があります。各作業に対応する作業区を洗い出してきます。
■作業ルートをマップ化する
個別の作業区を洗い出したら、作業区の間を移動するモノあるいは情報のルートを図に表わした「作業ルートマップ」を作成します。
■分岐・合流を把握する
下図の例では、部品出庫の作業区は、複数の作業区へモノを供給しています。この作業は分岐が発生する作業です。逆にユニット組立2とユニット検査は、複数の作業区からモノの供給を受けています。これは合流が発生する作業です。分岐・合流のある作業区の前後では停滞が発生しやすい。納期短縮には、分岐・合流する作業区に着目していきます。
■分割・合体を把握する
分岐・合流の特殊な場合として分割・合体があります。例えば、シート材料から寸法の違う部品を切り出し、別の製品を製造するために複数の作業区に分岐する場合があります。ここでは移動ルートの分岐だけでなく、モノの分割が発生しています。
また、複数作業区で作られたものを組み立てる作業区では、移動ルートの合流だけでなくモノの合体が発生します。下図の中で、ユニット検査は単純な合流ですが、ユニット組立2は合体が発生する合流です。分割・合体が発生する作業区は、納期を短縮する上で特に重要になる場合が多い。
作業ルートマップ
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