3.地図と区画で見せる
(2)地図と区画の具体例
「生産清流化」は納期病の治療法である。行動を変えること、業務を変えることの両面から取り組む。「見える化」は、行動を変えるための活動である。まず「あたり前の姿」と現状の姿の差異を目で見えるようにする。そして「ありたい姿」と現状との差異も見えるようにする。
「あたり前の姿」と現状の姿の差異を見せるために重要なのは5Sである。整理・整頓・清掃・清潔・躾は、あたり前の姿と現状の差を見せるための手段である。5Sの対象はモノだけではない。情報の5Sも重要である。伝票や帳票を整理・整頓するることで、あたり前の姿との差異が見えるようになる。
生産清流化の対象は、時間的・空間的に広がりのあるモノと情報である。現物の5Sだけでは全体像が把握しにくい。そこで、調査票・グラフ・マップ・チェックリストを活用する。
「調査票」は個々の作業の現状を見えるようにする。「グラフ」は空間的に広がる複数業務の全体像を見えるようにする。「マップ」は数値指標の現状値や時系列推移を見えるようにする。そして「チェックリスト」は課題と対策方向を見えるようにするものである。
「ありたい姿」と現状の差異を見せるためには、指図書・計画表・管理表を使う。「指図書」は個々の作業の内容と期日を見えるようにする。「計画表」は目標と行動予定を見えるようにする。「管理表」は目標・標準と実績の差異および対策を見えるようにする。これらの見える仕掛けを整備しながら、納期に対する心を変えていく。