2.顧客をピンポイントで決める
(1)開発者を顧客にした例
産業用製品の営業活動では「顧客をピンポイントで決める」ことが必要である。産業用製品の営業は、顧客との対話が重要である。対象とする顧客をピンポイントで決めないと活動ができない。
例を示す。溝上精工は金属切削加工の会社である。以前は自動車部品のプレス金型の製造を受託していた。金型を発注するメーカーの購買担当者が顧客である。しかし金型の売価低下にあい、売り先を変えてきた。同じメーカーでも開発担当者を顧客に変えた。売りモノも金型をやめて金属モデルの製作に変えたのである。
現在では、開発途中に試作品の形状を現物で確認するための金属モデルの製作に事業を集中している。顧客も自動車メーカーだけでなく電気メーカーへ広がっている。顧客を決めることで、結果的に顧客は広がるのである。