「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。組織革新の方向は自律化です。自律化によって組織の意思決定スピードを速くします。意思決定を速くするために組織は「分権化」していきます。組織の前線に意思決定権限を持たせることによって変化への対応を速く自律的にできるようにします。
■個人や部署の業績は成果で評価する
企業全体の変革スピードを上げるには、企業が自律的な単位組織で構成される必要があります。単位組織とは概ね20名以下の集団です。企業によって違いますが、課や係と呼ばれている部署が相当します。課や係があたかもひとつの企業のように自律的に意思決定して行動を変革するのが目指すところです。
自律組織とは、ひとつの部署が独立企業のように振舞うことです。財務上の評価も独立企業レベルにしていきます。その前段として、ひとつひとつの部署や個人が成果で評価されるようにします。
■部署の成果を測定しているかを点検する
第一段階は部署の業績となる成果が測定されているかを点検します。成果とは言い換えると仕事のアウトプットです。仕事のアウトプットとは何か、これが意外に測定されていないことが非常に多いのです。
■成果指標を定義して測定する
アウトプットが測定されていない場合の多くは、アウトプットの指標が定義されていないからです。例えば設計業務のアウトプットは何をもって測定すればよいのでしょうか。様々な考え方がありますが、「審査を通った図面の枚数」といったシンプルな定義を作り、それを測定することが必要です。
■個人の成果を測定する
部署の成果と同様に、個人の成果が測定されているかを点検します。測定されていない場合には定義や測定方法を見直します。
個人の成果が測定されていない企業では、個人の業績をインプットした時間で評価しがちです。ダラダラと長時間労働しているひとを「頑張っている」とみなして高評価にしていることが多いのです。昨今、働き方改革が話題になっています。その核となるのは生産性向上です。生産性とは仕事のアウトプットとインプットした時間の比率です。アウトプットが測定されていないと生産性向上はできません。
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