「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。組織革新を進めるには個人のレベルアップが欠かせません。そのキーワードは「学ぶ化」です。改善を習慣化することで個人の心と技を変えていきます。
■小まめに改善に取り組む
改善を習慣化しようとすると、小まめに改善に取り組むことが有効です。大きな改善をたまにやるよりも、小さな改善を常時やったほうが効果が上がります。大きな改善は大きな変化が伴います。これは文字通り「大変」です。大変なことをやってやる気をなくすよりも、小さな変化を習慣化するのが効果的です。また一部の人だけが改善するのではなく、全員が改善に取り組むのが原則です。
業務の改善はスポーツの練習と同じです。野球ならが月1回練習試合するよりも毎日バットを素振りしたほうが効果的です。また一人が猛練習してもチームは強くなりません。全員がレベルアップすることがチームの勝利につながります。
■2%の時間を改善に使う
「小まめに取り組む」とは具体的にどの位でしょうか。経験的には時間で「2%」を目安にするのがよいでしょう。1日10分または1週間1時間がほぼ2%に相当します。10分というと短く感じるかもしれません。しかし整理整頓や清掃などは10分あればできるでしょう。歩けば800m移動できます。帳票のレイアウトの変更程度はできるでしょう。簡単なミーティングもできます。
さらに1人ではなく10人で取り組めば10倍の変化が可能です。1週間に10人がのべ10時間を継続的に改善に使えばかなりのことができます。
■継続すると大きな差に
理想的には4%の時間が使えるとよいでしょう。1日20分または週2時間です。10人で取り組めば年間にすれば1000時間です。これをムダと考えるか投資と考えるかによって大きな差が出ます。4%の工数は製造原価に換算すれば1%程度でしょう。4%の時間を使わなければ1%の原価低減ができるでしょう。しかし改善投資と考えた場合には効果が累計で効いてきます。原価低減だけでなく、納期短縮、品質改善、売上向上などの効果として現れます。また人材のレベルアップも累計で効いてきます。改善活動を継続した組織とやらなかった組織では、数年後に大きな差になるわけです。
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