「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。業務を変えるアプローチは「つなぐ化」です。納期遅れの症状を見極めてポイントとなる業務と前後の業務のつながりを1点集中で改善していきます。
■3つのドウ
納期遅れを減らすには業務や作業の対策が必要ですが、対策の方向は「同期化・同量化・同時化」に集約されます。3つの同(ドウ)が対策の合言葉です。
■同期化の3要素
「同期化」とは、次の3つを含みます。
・受注と着手の同期化:受注したらすぐ着手することで流れ出しの時期を早めます。
・頻度を増やす同期化:作業の頻度を上げて、流量が増えてもすぐ作業することです。運搬を1個流しにするのも頻度を上げる同期化です。
・作業間の同期化:前後の作業の開始時期・終了時期を合わせて流速を上げることです。例えば、前工程が終わったらすぐ後工程を開始するようにします。
■同量化の3要素
「同量化」は、次の3つを含みます。
・受注量との同量化:受注量と各作業の処理量を合わせます。受注生産では、受注ロット量と加工の加工ロット量を一致させるのが理想です。見込み生産では加工ロット量を受注ロット量の平均値に近づけます。
・総需要との同量化:総受注量の増加や変動に対して対応余力を持ち、流量を上げることです。
・作業間の同量化:個別製品に対する前後作業の処理ロット量を合わせて流速を上げることです。
■同時化とは
「同時化」とは作業や資源を並列にすることです。次の3つを含みます。
・製造準備の同時化:製造準備と製造実施を並列化することによって流出しの時期を早めます。
・製造資源の同時化:同種の設備や製造ラインを増設することによって流量を増やします。
・作業の同時化:複数作業を並列で行うことによって流速を速めます。複数あるユニットを並列で組立てすることが代表例です。
納期遅れの3つのタイプつまり「乗り遅れ型」「満員型」「鈍行型」と対策方向の組み合わせは、以下の表のように整理できます。
納期遅れのタイプと対策方向の組み合わせ
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