第2章 5つのステップ別実施事項
(22)製品・流通在庫削減段階の評価制度:顧客の視点で評価する
製品・流通在庫削減段階は、顧客の視点での評価制度を確立する。顧客の視点で流れのスピードや納期の正確性を評価する指標を設定するのだ。
製品を見込み生産をしているか、受注生産なのかによって評価指標は異なる。見込み生産の場合、「平均納入リードタイム」は顧客が発注してから在庫している製品を納入するまでの平均期間である。受注、製品のピッキング、出荷、配送、納入の所要時間と製品在庫の欠品率に左右される。
欠品の評価については「受注時欠品率」と「欠品時納入日数」が重要な指標である。在庫と欠品率を同時に減らすには製品毎に適切な在庫基準を設定し、短い製造リードタイムで在庫を補充できる体制が必要である。製造リードタイムが短ければ、欠品時納入日数も短くなる。
受注生産の場合、「平均納入リードタイム」は製造リードタイムに大きく左右される。受注後に設計を開始する製品では設計リードタイムも影響する。
受注生産では納入リードタイムが長いので「納期回答所要日数」「要望納期充足率」「回答納期達成率」が重要となる。受注を速く生産計画に反映すること、適切な生産計画を立てること、総量変動に対する余力を持つこと、トラブルなく製造することが求められる。
納期が速く正確なだけでは不十分である。届けた製品が良品でなければならない。「誤納入率」「納入時不良率」がその指標である。
食品などでは鮮度や有効期限が問題となる。「平均製造後経過日数」または「平均残り有効期限」といった指標が必要である。顧客が入手した時の製造後日数または残り有効期限の長短を示す。
耐久財の場合には、故障修理などのアフターサービスも問題となる。サービスの受注から納品までの日数を示す「アフターサービス対応日数」が評価指標となる。修理に使う部品在庫の「サービスパーツ欠品率」も重要である。