第2章 5つのステップ別実施事項
(16)リードタイム短縮段階の創発活動:情報の流れを知る
リードタイム短縮段階は、職場間の情報の流れに着目する。リードタイムの短縮を目指して情報の3D化(同期化・同量化・同時化)に取り組む。
3D化を進めるには、まず情報の流れを知らなければならない。しかしモノの流れよりも、情報の流れは目に見えにくい。職場をまたがる情報の流れの全体像を最初から知っている人はいない。
したがってリードタイム短縮段階の創発活動は、関係者で情報の流れを知ることが出発点となる。具体的には「IM分析」を実施する。「IM分析」は情報とモノの流れを知る手法である。「IM」はInformationとMaterialの頭文字を表している。情報の流れとモノの流れを同時に紙の上で確認するのだ。
A 3サイズの「業務記述書」に業務内容を記述するとともに帳票と現場の写真を貼る。それを業務順に並べ、関係者が情報の流れと課題点を認識する。
「IM分析」は次の手順で行なう。
・分析対象範囲の設定
・仮目標の設定
・作成メンバーの選定
・スケジュールの設定
・業務記述書の作成
・業務検討会の開催
業務検討会では、業務記述書を作成した人が集まって業務記述書を業務順に並べなおす。次に業務記述書の枚数、業務のリードタイム、通過する職場数・工程数、発生する帳票枚数、物流量、作業工数、作業の機械化率などを評価する。最後に各評価観点から課題を抽出し、実行目標の案を経営トップに答申する。
「IM分析」に続くのは「ビジョンチーム活動」である。各部門の代表者が集まって改革の方向付けをする活動である。「IM分析」を基に情報の流れのあるべき姿を検討する。検討結果を全社方針に反映してリードタイム短縮に取り組んでいく。