納期半減の生産清流化
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製造企業のデリバリー管理とSCM
第2章 サプライチェーンマネジメントの実践
2.3 B2C/B2B
 (4)EDIをどう選択するか

 eマーケットプレースの狙いは、新規取引先の開拓です。発注側は、単価の削減効果を期待します。受注側は、売上を拡大することが希望です。新規取引先の開拓ですから、毎日使うものではありません。新製品を開発した時や、単価の高い部品を見直す場合に使うでしょう。eマーケットプレースの担当者が、特定の製品や部品について、web画面から登録・検索・入札・応札の操作をするのが通常です。

 大量のデータを扱うものではありません。社内システムとの連携は不要でしょう。どのマーケットプレースに参加するかの選択が重要ですが、もし選択を間違っても効果が出ないだけで、損失は少ないでしょう。選択を間違えたと思ったら、乗り換えればよいのです。

 一方EDIはどうでしょうか。EDIは、継続的に取引する相手との間でやりとりする受発注データや図面データの交換の電子化です。狙いは、データ交換にかかる業務コスト、通信コストの削減です。毎日交換する大量データのコスト削減ですから、効果を上げるには、社内システムとの連携が必要です。発注側では、発注データや図面データをEDIで送れる形式に変換し、各所の取引先へ送信するプロセスを自動化しなければ業務コストの低減は実現できません。同様に受注側は、複数の取引先から受信する受注データや図面データを、社内の生産計画や材料の手配へ自動的に結び付けなければ、効果は半減します。

 毎日実施する社内の情報システムや業務を、EDIに合わせて構築する場合、どのネットワークに乗るかの選択が非常に重要です。選択を間違えて乗り換えようとした場合に、情報システムや業務の再構築が伴います。

 EDIは、その技術内容において専用回線と個別のプロトコルに基づいた従来型と、インターネットを利用したオープン型に大別されます。しかしながらEDIの選択は、技術内容よりも、「自社が主導権を持つのか/取引先が主導権を持つのか」と「独自のネットワークを構築するのか/既存のネットワークを利用するのか」に依存します。  自社が主導権を持って独自のネットワークを構築する場合を考えてみましょう。取引先を独自ネットに囲い込むことで取引を継続するメリットが出る場合は、有効でしょう。しかしながら囲い込みのメリットがなければ、独自ネットワークを構築することは費用のムダになります。

 自社が主導権を持って既存のネットワークを利用する場合はどうでしょうか。業界等の標準ネットを選択すれば、他の取引先でも使える可能性が高くなります。他の取引先とEDIを開始する時の構築コストと業務コストは、かなり低く押さえられるでしょう。一方、業界等の標準になっていないネットを選択した場合は、他の取引先とEDIを開始する時にかかる構築コストと業務コストは高くなるでしょう。

 取引先が主導権を持って独自のネットワークを利用する場合です。自社の売上に対する取引先の比率が高く、取引を継続することで自社の利益が確保できる場合には、それを受け入れる必要があります。しかし、売上に対する取引先の比率が低い場合には、既存ネットワーク利用の方向へ仕向けることが必要です。それができない場合には、取引の停止もやむを得ないでしょう。

 取引先が主導権を持って既存のネットワークを利用する場合、業界等の標準ネットであれば問題ないでしょう。しかし、その取引先に対する売上高が低く、かつ業界等の標準になっていないネットワークを利用りようとした時には、標準的なネットワークを使う方向へ仕向けるか、取引の停止を考えることになるでしょう。

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