納期半減の生産清流化
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先延ばし症候群 その原因と対策
6.組織的先延ばしの対策
(2)組織的先延ばしの対策方向

 「組織的先延ばし」とは先延ばしを組織ぐるみで行う組織的な風土や振る舞いです。反社会的勢力との取引排除を先延ばしにしたメガバンク、製品不良への対策を先延ばししたメーカー、原発事故への抜本的な対策を先延ばししている政府などが代表的な例です。

 組織的な先延ばしには2つの類型があります。「伝染型」です。「あいつが遅らせるなら俺も」という考え方が蔓延していくタイプです。もうひとつは「指示待ち型」です。大多数の人が「督促されたらやればいい」という考え方になっているものです。

   「伝染型」の対策はどうすればいいでしょうか。「遅れても上司や関係者から怒られない」というのが代表的な原因です。従って対策は、「納期と約束を守る習慣をつける」ということになります。仕事の納期だけでなく会議の開催時刻や終了時刻を守るという日常の行動を改めていく必要があります。

 もうひとつの原因が「時間がかかったほうが残業代が稼げる」ことです。残業していたほうが「がんばっている」と評価される企業もあるようです。こうした風土がある会社は伝染型の組織的先延ばしに陥りやすいのです。従って対策は「部下を労働時間の長さではなく納期遵守と効率で評価する」ことです。夜遅くまで働くことを「がんばった」と評価してはいけません。残業をしないで期日どおりに仕事を仕上げた人を「よくやった」と評価するのです。

 「指示待ち型」の対策方向はどうすればいいでしょうか。原因はワンマンな社長や上司にあります。「あれをやれ」「これはやるな」という行動レベルで指示を出すことが先延ばしを生んでいます。従って対策は「上司は目標を提示して作業を指示しない」ことです。「いつまでに何をクリアすべきか」を示して、それを達成する方法や行動は部下に任せるのです。

 行動レベルで指示を出す社長や上司は、「部下が指示どおりに忠実に動いたか」を忠誠度と捉え、それを評価する傾向にあります。「部下を忠誠度ではなく成果で評価する」ことがもうひとつの対策になります。

 組織的先延ばしは組織のトップや上司の考え方が変わらないと良くなりません。トップ自身が先延ばしの原因になっているとことを自覚して部下に対する評価を変える必要があるのです。 組織的先延ばしの対策方向  

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