3.地図と区画で見せる
(5)現品の見える化
「生産清流化」は納期病の治療法である。行動を変えること、業務を変えることの両面から取り組むプログラムである。行動を変えるために「見える化」を進める。「見える化」では「地図と区画で見せる」ことが重要である。
在庫に関しては「地図と区画で見せる」対象が多い。在庫の滞留をなくすには、現品の見える化が重要である。現品の状態が常に見えること、さらに「あたり前の姿」や「ありたい姿」と現状のギャップが見えることが現品の見える化である。
例えば、保管棚を見える化するには、背が低く、開放型のものを使う。保管棚をフロアの中央に置く場合、高さ1200mm以下を推奨する。さらに天板部分にはモノを置かない。棚が高くなるとフロア全体の見通しがきかなくなるからである。棚を壁際に設置する場合にはもっと高くても構わないが、最大1800mm程度が望ましい。目線より上の棚は見にくいからである。
保管棚は開放型で側板や扉がないものを基本とする。内容物の状態が常に見えるようにするためである。さらにモノを置く場合には、現品票や識別表示が正面から見える向きに置くことを徹底する。
もうひとつの例は、倉庫の出入り口の見える化である。倉庫は入出庫の手続きを確実に行い、在庫帳簿と現品を正確に一致させておくことが必要である。だが入出庫の手続きを行うべき出入り口が明確でない場合が多い。明確でないと正規の手続きをやらないで入出庫する場合が増える。
そこで出入り口が誰でも目で見て分かる形にする。区画線や表示で出入り口であることを示す。さらに手続きのための机を置き、一種の関所であることを明確にする。スーパーマーケットのレジと同じで、誰でもそこを通らないといけないことを見た目でわかるようにする。