第1章 デリバリー管理
1.6 全社的デリバリー管理 材料・仕掛在庫削減段階
(2)ビジョンチーム活動
在庫削減やリードタイム短縮を行うためには、まず目標や方針の整合をとり、同じベクトルを向いたうえで活動を進める必要があります。
「ビジョンチーム活動」とは、関係各部門からキーマン(一般的には現場の直接作業に追われていない課長クラスが望ましい)を集めて、ビジョンチームを編成します。その活動内容は改革の目標・共通コンセプト・各部門での施策とその整合性を検討することにより、改革の横断的な青写真を作ります。TDMでは、材料・仕掛り在庫削減段階以降で適用します。「ビジョンチーム活動」で作った青写真に基づいて、「部門チーム活動」や「部門横断チーム活動」を推進します。
具体的には図1.16のように、各部門の課長クラスをそれぞれ数名選出し、社長をリーダーとした組織で活動します。
ビジョンチームは、活動の初期段階に、メンバーの所属する部門を相互に見学したり、リードタイム、在庫、納期に関する用語の定義について確認したりします。例えば「製造リードタイム」とは、どこからどこまでの期間を指すのか、といったことを確認するのです。同じような用語でも部門によって使われ方が違っていることがあります。改革の目標・共通コンセプト・施策などを検討する前に、現状の姿や用語の共通認識を形成しておくことが重要です。